コラム
COLUMN
戸建てのルームツアー動画制作|撮影から編集までのポイント
写真やホームページだけでは、工務店のこだわりはなかなか伝わりません。動画なら、動きと声を通して、設計の細かな工夫や素材選びへの想いまで届けられます。私たちはこれまで、多くの工務店のルームツアー動画を制作してきました。自社で撮ってみたものの手間がかかった、再生回数が伸びなかった、という声もよく聞きます。この記事では、撮影の準備から編集、お問い合わせにつなげる工夫まで、制作の現場で大切にしているポイントを解説します。
ルームツアー動画が工務店の集客に効く理由
写真では伝わらないこだわりが伝わる
外壁の素材を選んだ理由、キッチンから中庭が見える配置、階段の傾斜を調整した意図。家には細かな配慮が詰まっていますが、写真1枚ではその全体像までは伝えきれません。ルームツアー動画なら、出演者が歩きながら「この壁は〜という理由で選びました」と説明し、光の入り方まで映せます。見る人は、スペックだけでなく、どんな想いでその家をつくったのかを感じ取れるようになります。
私たちが自社で運営する平屋専門のYouTubeチャンネル「平屋くん」も、ルームツアーを中心に発信し、開始から5か月でチャンネル登録者15,000人になりました(2026年9月時点)。
お問い合わせにつながる動画と、物件紹介で終わる動画の違い
差が出るのは、出演者の話の中身と、撮影・編集の工夫です。物件紹介で終わる動画は、用意した原稿を読み上げるだけだったり、設備の説明に偏ったりして、話が抽象的になりがちです。お問い合わせにつながる動画は、見る人が知りたいことに具体的に答え、最後に「次にどうしてほしいか」をきちんと伝えています。撮影でも、場所を急に変えず、できるだけ一本撮りにして、見る人が家の中で迷わないよう配慮しています。
「教えてもらった」と「この人に頼みたい」は違う
動画を見て勉強した人が、動画でおすすめされていた商品を選ぶようになる。これは「教育」された状態です。それに対して、動画に出ていた社長や営業担当者の人柄に惹かれ、「〇〇さんにお願いしたい」と名前で指名してくれる状態が「ファン化」です。ルームツアーで目指したいのは、このファン化です。名前で選ばれる状態になれば、相見積もりの段階でも選ばれやすくなります。
金額を出すかどうかの考え方
見る人が最終的に一番知りたいのは、「結局いくらで建てられたのか」です。金額を出すと、透明性のある会社として信頼されやすく、再生回数や登録者数も伸びやすくなります。ただし、地域の相場や他社と比べて高く見える場合は、あえて出さない判断もありえます。その場合も、価格帯の考え方や、費用をかけた理由に触れるなど、金額の話を避けない姿勢が大切です。
制作の流れ(約6週間)
撮影日は、決めた日から2週間以上先に設定し、施主様の準備期間を確保します。撮影から3週間ほどで動画が完成し、その後1週間で住宅会社に内容を確認していただき、公開となります。この約6週間のサイクルを守ることで、品質を保ちながら継続して公開できます。

撮影前の準備
出演者は誰にするか
小規模な工務店であれば社長が、規模の大きい会社であれば営業担当者が出演することが多くなります。設計士ではなく営業担当者を選ぶのは、お客様と接する機会が一番多く、動画に出た本人と実際の打ち合わせで会えるからです。動画で人柄を知った人が、同じ人に会えることで、信頼がより深まります。
見せ場と妥協点を打ち合わせで決める
下見はしないことも多いのですが、事前の打ち合わせは必ず行い、見せ場と、言ってほしい一言を決めておきます。あわせて大切なのが、妥協した点も話すことです。お客様の要望から営業担当の提案で変えた点や、予算の関係で見送った点など、良い話だけでなく妥協点にも触れることで、かえって誠実さが伝わります。
家具がある状態で撮る
家具のない状態より、実際に暮らしている家や、家具でスタイリングした家のほうが、見る人が「自分たちならこう暮らす」と想像しやすくなります。
家の向きで撮影時間を決める
正面や玄関が南・東向きなら午前中、西向きなら夕方に撮ると、光がきれいに入ります。天気も晴れているほど明るく見やすい映像になります。光の当たり方ひとつで、家の印象は大きく変わります。
撮影の許可と、映り込みの確認
撮影前に、施主様から撮影と公開の了承をいただき、できれば書面で残しておくと安心です。表札や住所、周辺の様子など、場所がわかる情報が映り込まないかも、施主様と相談しながら確認します。
撮影のポイント

リビングは早めに見せる
案内の基本は、外観、玄関、リビングの順です。洗面所やトイレなどは、動線に合わせて途中に入れます。見る人が一番見たいのはリビングなので、後回しにするとたどり着く前に離脱されやすくなります。
移動シーンを切らずに一本撮り
玄関からリビング、リビングからキッチンへの移動も、切らずに歩きながら案内します。移動をカットして急に場所が変わると、家の中のつながりがわからなくなってしまいます。何度も止めて撮り直すより、一本撮りを基本にするのが失敗しないコツです。
カメラマンが、見る人の代わりに聞く
出演者が設備の説明に偏ったときや、話が浅くなったときは、カメラマンが見る人の代わりに質問して話を引き出します。施主様のもともとの希望と実際にできた内容の違い、デメリット、どんな家族構成に合うか、月々の返済額など、見る人が本当に知りたいことを聞きます。
デメリットを聞くときは順番が大切です。「この外壁、おしゃれですね。何を使っているんですか?」と褒めてから、「ちなみに、デメリットってあるんですか?」と聞くと、出演者も答えやすくなります。言いにくい質問は、撮影前にリストにしておくと、現場で迷いません。
編集のポイント
言いよどみは切り、本音は残す
台本はあくまで構成を整えるための目安です。人柄が出るのは、むしろ台本の外で話しているときです。言いよどみや無駄な間はカットしつつ、思わず出た本音は残します。その瞬間こそ、見る人が出演者を好きになるきっかけになります。
同じ場所を長く映さない
同じ場所を何分も映していると、見る人は飽きてしまいます。説明が長い部分は短くし、テンポよく次へ進めます。ただし移動シーンは残し、家のつながりがわかるようにします。
BGMと効果音で雰囲気をそろえる
かっこよく、おしゃれに見せたい場合は、BGMはゆったりめにして効果音は最小限に。楽しい雰囲気で見せたい場合は、ワクワクするBGMと効果音を多めに使います。大切なのは、会社のイメージと合っていることです。
長さの目安
YouTubeの長尺動画は15分前後が目安です。ショート動画は1分以内に収め、最初の1〜3秒で目を引く工夫をします。長尺は答えを最後に置いて最後まで見てもらい、ショートは冒頭に一番強い情報を置く、という違いがあります。
サムネイルとタイトル
金額が目玉の家なら、「〇〇万円の平屋」のようにサムネイルに大きく入れます。タイトルも「〇〇様邸ルームツアー」で終わらせず、「〇〇万円の平屋、住んでみた感想」「壁の素材にこだわった家、その理由は」のように、見たくなる要素を入れます。チャンネル全体で、色づかいやデザインの方針をそろえておくことも大切です。
お問い合わせにつなげる導線
チャンネル全体を一つの導線にする
多くの人は、1本だけでなく、チャンネル内の動画を何本も見てからお問い合わせをします。失敗談や相場、ノウハウといった、これから家づくりを考える人向けの動画から、金額入りの施工事例やルームツアーといった、具体的に検討している人向けの動画へと流れを作ります。動画の中で「詳しくは別の動画で話しています」と案内し、終了画面や再生リストで次に見てほしい動画をつなげます。
概要欄の一番上はホームページ
見る人の興味が高まったタイミングで「詳しくはホームページをご覧ください」と呼びかけ、概要欄の一番上にホームページへのリンクを置きます。動画の中で、概要欄がどこにあるかを画面で示すのも効果的です。
支援事例
私たちが支援してきた会社の一例です。数値は各社の実績記録(2026年7〜9月時点)にもとづきます。支援前後の比較には、YouTube以外の施策の影響も含まれている可能性があります。また、2025年2月の法人設立より前の支援は、代表・西村壮貴の個人事業として行ったものです。
株式会社アーキテクト様(大阪府)|TikTokのルームツアーで平均18万回再生
株式会社アーキテクト様のTikTokアカウント「関西弁でしゃべる南大阪の工務店」では、動画7本でフォロワーが1,900人になり、ルームツアー動画の平均再生回数は18万回です。TikTok経由のお問い合わせは5件あり、すべて施工エリアのある府内からでした。

株式会社エクシエ様(長野県)|1本目のルームツアーで、RC住宅のお問い合わせ3件
株式会社エクシエ様のチャンネル「佐久移住チャンネル」では、2025年10月から支援を始め、1本目のルームツアー動画が4,000回再生されました。この動画をきっかけに、RC住宅のお問い合わせが3件ありました。再生回数が数千回でも、地域で家を建てたい人に届けば、お問い合わせにつながる例です。

株式会社今井建設様(静岡県)|1本目のルームツアーが5万回再生
株式会社今井建設様のチャンネル「今井建設|浜松市の工務店」は、2025年10月から月4本のペースで支援を始め、1本目のルームツアー動画が5万回再生されました。
株式会社サンクスホーム様(三重県)|1本目が14,000回、2本目が76,000回再生
株式会社サンクスホーム様のYouTubeチャンネルは、2025年10月から月2本のペースで支援を始め、1本目のルームツアー動画が14,000回、2本目が76,000回再生されました。

続けるための体制
6週間のサイクルを回す担当を決める
撮影日の決定から公開までの約6週間のサイクルを、社内の誰が担当するのかを決めておきます。撮影する家を選ぶのは誰か、確認は誰がするのかを決め、担当者を複数にしておくと、誰かが忙しくなっても止まりません。
成果が出る会社の共通点
成果が出る会社には、最初の3か月は投資の期間と考え、最低でも1年は続ける覚悟があります。また、制作側の提案を柔軟に試し、改善を重ねられる会社ほどうまくいきやすい傾向があります。反対に、短期間で結果を求める、他社と同じ企画を望む、方針がたびたび変わる場合は、成果が出にくくなります。
まとめ:いい家をつくる工務店ほど、動画で伝わる
ルームツアー動画は手間がかかる分、きちんと取り組んでいる工務店はまだ多くありません。いい家をつくっているのに、その良さが知られていないのはもったいないことです。見る人が知りたいことに正直に答え、出演者の人柄を伝える。その積み重ねが、「〇〇さんにお願いしたい」と名前で選ばれる状態につながります。
株式会社ARINOMAMAでは、住宅会社向けのYouTube運用サービス「住宅ムービー」として、企画・台本・撮影・編集・サムネイル制作・投稿・分析までを一括でお手伝いしています。撮影の時間が取れない、担当者がいない、運用しているが成果が見えないといったお悩みがあれば、お気軽にご相談ください。
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◇株式会社ARINOMAMA
YouTube運用とTikTok運用を行う会社
工務店や外構業者の動画制作を得意とし運用アカウントは累計20社を超える
主な実績
①小屋を紹介する動画で再生回数100万回の動画を生み出し、動画をきっかけにお問い合わせ数100件以上獲得。(平屋専門の工務店)
②アカウント開設1本目で再生回数10万回を超え、その動画をきっかけに注文住宅のお問い合わせを3件獲得(京都府の工務店、奈良県の工務店)
③YouTube開始から2年で売り上げ150%UP、お問い合わせ数150%UPに貢献
